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  • 12月12-15日「UHCフォーラム2017」

12月13-14日に日本政府、世界銀行、世界保健機関(WHO)、国連児童基金(UNICEF)、UHC2030、国際協力機構(JICA)の共催により「UHC フォーラム 2017」が行われました。UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)とは、全ての人が適切な予防、治療、リハビリ等の保健医療サービスを、必要な時に支払い可能な費用で受けられる状態を指し、持続可能な開発目標(SDGs)の目標3のターゲットの一つにもなっています。

今回の会議では、各国の政府高官や国際機関の代表、専門家が集まり、UHCに関する現状について検証を行い、国際的なUHC推進のために、各国・各機関同士の連携体制の構築・強化、必要な財源確保、継続的なモニタリング等について具体的な方策について活発な議論が交わされました。また、14日に行われたハイレベルオープニングセッションに安倍首相が出席し、UHC推進を加速するために必要な取組を機動的に進めていくため、日本政府として約29億ドル(約3300億円)規模のUHC支援を行うことを表明しました。

 

  • 12月15日 UHCフォーラム 公式サイドイベント「UHCとユニバーサル・リプロダクティブ・ヘルス・カバレッジ 女性・若者が直面する問題に挑む~」

国連人口基金(UNFPA)は、IPPF(国際家族計画連盟)とJOICFP(ジョイセフ)と共催で、UHCフォーラム 公式サイドイベント「UHCとユニバーサル・リプロダクティブ・ヘルス・カバレッジ-女性・若者が直面する課題に挑む」を開催しました。国連人口基金本部からは、テクニカル・スペシャリストのハワード・フリードマンがパネリストとして参加し、東京事務所長の佐藤摩利子が第一部のファシリテーターを務めました。

第一部では、塚田玉樹外務省国際協力局参事官(写真下中央)から開会の挨拶を頂戴し、女性が輝く社会にむけ、またUHC推進における日本政府のリーダーシップと、UNFPA、IPPF、JOICFPなどのパートなーシップについても言及されました。また、武見敬三参議院議員(写真下右)は、高齢化社会におけるUHCの課題について解説し、その後、テドロス・アダノム世界保健機関(WHO)事務局長(写真下左)が、「UHC達成のためには、ユニバーサル・リプロダクティブ・ヘルス・カバレッジが必要不可欠であり、その達成のためには根本の問題としてジェンダーの平等をすすめるべきである」と必要性を述べました。

その後のパネル・ディスカッション「ユニバーサル・リプロダクティブ・ヘルス・カバレッジとUHC実現に向けたパートナーシップ」において、ハワード・フリードマン(写真下左)は、誰もがSRHR(セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ)を知ることの重要性を唱え、「UHCはユニバーサル・リプロダクティブ・ヘルス・カバレッジなしには達成できない」と強調しました。

また、アルバロ・ベルメホIPPF次期事務局長(写真下中央)は「包括的な性と生殖に関する健康(SRH)についてのサービスがUHCにおいて最も重要な核として提供されるべきであり、SRHへの普遍的なアクセスに投資をすることは、人々の健康、社会、そして経済にとって多くの利益をもたらすことに繋がる」と述べました。

ファシリテーターを務めた所長の佐藤摩利子は、「誰一人取り残さない」社会を構築していくために、若者のエンパワーメント、また若者が積極的にリーダーシップを発揮していくことの重要性を確認しました。

第二部「課題と挑戦―草の根の活動のエンパワーメント」では、SRHRの推進に取り組む国際NGOとしてIPPFや家族計画協会のアフリカにおける活動の紹介や、日本で持続可能な社会の実現に向けて活動する若者からの発言がありました。

エドワード・マリエンガ Family Health Option Kenya事務局長は「ドナー協力を得て、草の根の活動を通じて、若者へのサービス、妊産婦死亡率の減少、施設での分娩、避妊実行率をあげる取組を行ってきたが、それらの取組みを続けるにあたり米国による資金提供の打ち切りによりサービスを提供できなくなっている」と述べました。

また、質疑応答では、性と生殖に関するサービスや情報の壁、女性や若者を阻む壁など、あらゆる壁を取り除き、いかに「誰一人取り残さない」社会を作っていくべきか等、来場者の方からの活発な質問が飛び交い、来場者の方と登壇者の交流の場となりました。

まとめとして、

UHC(ユニバーサル・ヘルス・カバレッジ)はユニバーサル・リプロダクティブ・ヘルス・カバレッジ(URHC)なしには達成できないということ、若者のリーダーシップの大切さ、今後パートナーシップを強固なものにしURHCを努力することが確認されました。

会議で紹介されたレポート:

(上段左から)
・ハワード・フリードマン 国連人口基金(UNFPA) テクニカル・スペシャリスト
・Dr. アルバロ・ベルメホ 国際家族計画連盟(IPPF) 次期事務局長
・エリザベス・メーソン Every Woman Every Child アカウンタビリティー確保のための独立パネルメンバー
・エドワード・マリエンガ ファミリー・ヘルス・オプション・ケニア 事務局長

(下段左から)
・バジール・エリマム スーダン家族計画協会(SFPA)会長
・唐木まりも Japan Youth Platform for Sustainability 代表
・佐藤摩利子 国連人口基金東京事務所所長
・石井澄江 公益財団法人ジョイセフ理事長

 

  • 12月12日「Act for UHC “Action on Fistula” ~ケニアの女性の人生を変える~」

アステラス製薬株式会社は、フィスチュラ(Fistula)基金が実施する「Action on Fistula」を支援しており、その一環として「Act for UHC “Action on Fistula”~ケニアの女性の人生を変える~」と題して12月12日にサイドイベントを行いました。弊基金の本部から参加したテクニカル・スペシャリストのハワード・フリードマンが結びの言葉を述べました。

(左から)
・アステラス製薬 医療政策部CSR&グローバルヘルスグループ グループリーダー 次長 知原修氏
・アステラス製薬 ファーマ ヨーロッパ Ltd. コーポレート・コミュニケーションズ ダイレクター
・国連人口基金(UNFPA) テクニカル・スペシャリスト ハワード・フリードマン
・フィスチュラ基金 CEO ケイト・グラント氏
・アステラス製薬 執行役員 経営管理・コンプライアンス担当 櫻井文昭氏